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忍びの滋賀/いつも京都の日陰で・小学館新書
2019年11月

NHK朝ドラ
『スカーレット』の舞台は
日本一スルーされる件でした!
おどおどした作家が地味な出身県をユーモラスに語る!
(裏面)通過しても気づかない県
滋賀、どこ??
「琵琶湖」も「比叡山延暦寺」も「安土城」も
ぜ〜んぶ滋賀にあるのに!
長野県にあるのは志賀高原だ!激おこマーク

帯の惹句が面白いですねえ。内容は章のタイトルがうまく表しています。

第一章・自虐の滋賀---哀愁のあるある
第二章・ボーノ滋賀---無名だけどおいしい郷土料理
第三章・忍びの滋賀---ミウラとヒメノ
第四章・これからの滋賀に---さきがける地方都市として

それにしても〈京都・奈良・滋賀〉ではなくて〈京都・奈良・琵琶湖〉なんですね。「地面はないのか、滋賀には……」P106では、ブワッハッハ大笑いしてしまいました。

私のように関東で生まれ育った者には、確かに滋賀県の印象は薄いのですが、まあ逆に西日本で生まれ育った人にとっては、私の住んでいる茨城県などもまったく馴染みがないようで・・・。しかも何年も連続して魅力度ランキング最下位に定着しているのがこの茨城県なんです。滋賀県の話を面白おかしく読みながら、常に「でもなあ・・・茨城なんか・・・だし・・・」という思いもこみ上げてきたりしました。

茨城のことは置いといて、都市部との対比をした場合、地方には大なり小なり似た問題がありますね。その一つは車社会であること。どこへ行くにも何をするにも車が必要、というより車がないといきなり行動が制限されてしまうということ。各自治体は地域循環バスなどを運行したりしてなんとかしようとしてはいます。しかし、潤沢な予算があるわけではないので、各地域において左周りだけしかなかったりして、使い勝手が良いとは言いかねます。だって、例えばバス停5つ先の場所に行くために15のバス停を通過する逆方向のバスに乗るしかなかったりします。確かに双方向にするには倍の予算がかかるわけで、事業としては成り立ちませんね。しかし、箱ものにお金を使うくらいならこういう所に税金を使ってもらいたいものです。

私の出勤途中にもこの循環バス(中型)が走っているんですが、毎朝私が自転車でコンビニの前を通る時にいつも数人がバス待ちをしています。たしかにバス停のあるコンビニの辺りは路線バスは通っていません。いませんが、駅までそれほど距離があるわけではありません。自転車だと信号(5つ)に引っかからなければ6〜7分ぐらいなものです。歩いても10分ちょっとかと。そうなんです。田舎の人間は歩かないのです。駅の100mほど手前で私を追い越して行く循環バスを見ながら、いつも思います。老人や体の具合が悪い人ならまだしも、待っていたのは高校生らしき女子や中年のサラリーマン風の人たちです。「歩けばぁ!」

あと笑ったのが、宇崎竜童のあの曲の話。冒頭の文章を読みながら「ああ、あれのことか」と笑っていましたが、確かに曲のサビの歌詞が「洋子・横浜・横須賀」って、わけわからんですよね。わからんのに、なんとなく雰囲気が漂うという不思議。さすがの作詞センスというか才能だと思います。とは言え、あの歌、昔カラオケで歌ったことがあるんですが、サビのワンフレーズ以外はセリフなわけで、あれは歌うというよりは演ずるという代物でした。で、セリフを言いつつ「今、俺は似合わない役を演じているな、横浜・横須賀じゃなくて、茨城だし・・・納豆だし・・・ヤンキーだし」などと、気分はどんどんブルーになったものでした。

最後に、確かにあの県民の自慢をするTV番組はやらせとまでは言わないがテレビ的に面白いかどうかで話題を選んで紹介しているのでしょうね。県民の姫野さんでさえ食べたことがないというサラダパン。食べてみたいな。
で、さっそく滋賀県長浜市木之本町の「つるやパン」からサラダパン(145円)を取り寄せてみました。

賞味期限が到着日から1日だけなので、独り者にはなかなかハードルが高いお取り寄せです。
今回はこのサラダパンの他に丸い食パンにハムを挟んだその名もずばり「サンドウィッチ」(145円)も注文してみました。

味は・・・素朴でシンプル。サラダパンはいわゆる王道のコッペパンに細かく刻んだ沢庵が入ったマヨネーズが塗ってあるもので、思いのほか薄味でやさしい味付けでした。いわゆる菓子パン的な甘さがないので、食事として食べると良いかと。サンドウィッチの方も、びっくりするほどシンプルで薄いハムとマーガリンとマヨネーズ少々が入っているだけです。近所のパン屋さんだったら朝食に買うかも知れませんが・・・。何せ振込手数料と送料の分を考えると・・・う〜む。

ところで、上の画像はヤフーショッピングでサラダパンを検索したら出てきたのぼり旗の画像。本体のほうはつるやパンのサイトに行かないと買えないのですが、なぜこの旗だけ販売しているのか不思議。

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