直木賞作家『姫野カオルコ』(姫野嘉兵衛)の応援サイト。ディープな読者も初めての方も大歓迎。

変奏曲・角川文庫
95年1月(単行本は92年11月マガジンハウス刊)
しかし、これが著者24才の時の作品とは・・・。再読しながら勃起しました。読了後のジンジンする気持ちのままラフマニノフ聞いて、うむ、これで相手がいれば「高志」になっちゃうぞと・・・。近所のオバさんが回覧板持ってきて世間話しながら、頭の中はビデオから「TA KA SHI」と呼ぶ洋子の唇・・・。耽美。いや近所のオバちゃんじゃなくて、姫野カオルコ。谷崎してます。

いつの時代も禁忌のエロスは、開放されたエロスより強い求心力を持つものです。そういう意味では近代民主主義は限りなくエロスを薄めるものです。エロスの物語が死にゆく時代。姫野カオルコはジャンヌ・ダルクのように、いやナイチンゲールのように、男も女も勃ててくれる。・・・その代償として、彼女が払う痛みは如何ばかりか、ううぅ、スイマセン。取り乱しました。

ところで、山崎ハコが歌ってた「兄弟心中」。誰か知りませんか?なんかこの作品を読みながら私の中では、この曲が流れてたんですけど・・・。あと、軽井沢のシーンなんかでは、ありがちですが「G線上のアリア」。高志が覗くシーンは、ずっと前からパッヘルベルの「カノン」が流れていて、くるぞくるぞと盛り上げといて、音止めて蝉の声、続いて洋子の声「滅茶苦茶にして」。走る高志に「カノン」がかぶってフェードアウト。いやすいません。私は勝手にBGM入れながら読みました。泉鏡花賞に一票。
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