直木賞作家『姫野カオルコ』(姫野嘉兵衛)の応援サイト。ディープな読者も初めての方も大歓迎。

初体験物語・角川文庫
98年11月(単行本は97年11月朝日新聞社刊)
この作品で、私は作者をかなり身近に感じてしまいました。特にスウェーデンの話。もう20年以上前ですが、私はスウェーデンのストックホルムに住んでいたことがあります。ヨーロッパの国々はほとんど行きましたが、好きな国として脳裏に残っているのがスペインとスウェーデンです。しかし私もあの「醗酵ニシン」は食べる気がしなかったんですけど・・・。姫野カオルコ恐るべし。だって缶詰がパンパンに膨れてるんですよぉ。さて、今回はガーターベルトの話。本書でも著者がガーターベルトをつけて外出した話がでてきてますね。

ある日のカウンター、女性客が一人だけ。私は客商売やってるくせに人見知りするので、ちょっとドキドキ。ちょっとした会話から察するに、ついさっきまでデートしてたみたいです。年は20代後半。少し酔った口調で「ねえ、マスター。聞いてくれる?」と言われれば「いやです」とも言えません。いや実はその時点でちょっとまずいなぁー、という感触はあったんですけどね。さっきまでデートしてた相手の悪口というか愚痴を聞かされて、生返事をしてたんですが、突然「あたし、今日はガーターベルトなの」ときました。ドクン。

どうも男とはまだしてないらしく、今日こそは決めるぞという気合でガーターベルトだったんですね。「あいつったら、さっさと酔っぱらって帰るんだもん。このガーターベルトを見もしないでさぁ。あたし、その気だったのに」ドクン。「知ってる? ガーターベルトの時はパンティ上からはくの」ド、ドクン。「ねえ、マスター。・・・見る?」ドッッックン。いや正直言って起ちました。そこで「はい」と言えない小心者の自分がいやでした。

この話には第2幕があって、数日後のこと。またその女性が一人で来ました。今度ははっきり喧嘩してきた感じ。酒の飲みかたも完全にやけ酒です。で、私ですがぜん・・・っぜん興味わきません。起ちません。やっと女性も帰って店を閉めようとした午前3時。女性が戻ってきて「鍵なくしちゃって、部屋にはいれないの」・・・。えっ? どうしたかって・・・だから・・・。

すいません。全然本の紹介になってないですね。
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