蜜の眠り・光文社文庫 2000年月再刊(99年3月廣済堂アテール文庫)
思いっきりネタばれ有。既読の方も10分ぐらいで読めますから再読してこちらを読むと楽しめます。・・・たぶん。
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これは女性作家の書き下ろし短編を集めたアンソロジー。「見かけの速度」の求め方という姫野作品が収められています。6ぺージほどの小品ですが、おとぎ話の体裁をとりながら大きな問題提起をはらんだ作品です。まず、3番目の王女さまはもちろん姫野さんご本人。1番2番は世の有名で売れている女性作家ということにしておきましょう。 ちょっと書きづらいんですが、姫野さん自身も書かれていることですし・・・顔の神経を患われて半分が引き攣れた感覚をお持ちで、冷え性。これは文中「顔の右側は砂糖菓子のように愛らしいが、左側は火事のように焼けただれている」「上半身は人間だが、下半身は蜥蜴だ」という描写をされています。姫野さん、姫野さん。サイン会でお会いしてお顔を拝見しましたが、右も左も砂糖菓子のように愛らしかったですよぉ。 さて、王女さまに会いに行くθという若者は・・・・私ってことで (ー_ーメ)オメェナァ! \(`o'") コラーッ オリャ(/-o-)/ ┫ o(`_')○ ・・・・いてて、みなさん。暴力はいけません。ラーラさん。ものを投げないように。この瞬間北はサハリンから南は八重山諸島まで、ちゃぶ台をひっくりかえした人が120名。どぉーんとテーブルを叩いて、指を骨折した人が13名。食べていたウドンが鼻からでた人が3名ほどいらっしゃるようですが、ヾ(@^▽^@)ノわはは。 θは腕のいい大工。私は腕のいいバーテンダー(蝶タイをつけると人格が変るって噂もありますが)ですけど・・・大工もやります。んで、親方(客)に王女さま(姫野さん)のことを訊いては困らせていました。そのたびに親方(客)はめんどうくさそうに答えました。「知らんよ、お城(文学)のことなんか」親方(客)には奥さんがいましたが、みずうみのほとりにあるカフェーではたらく愛人(連れてきた自分の会社の若い事務員)に首ったけ。
θ ジキルはまず全作品を買って読み、ウエブサイトを作りました。θは一見、閉ざされて入りにくそうないくつかの関門をなんなく通り抜けて、塔を登り始めました。ジキルは最初入りにくそうに見えたファンの輪が、実はとてもオープンで開かれたものだと知りました。ようは最初から諦めずに手を延ばしてみるということが、大事だったのです。 θは塔を登ってゆきました。てっぺんには扉があって「贈りものはいりません」と書いた札がかかっております。あたりまえですが、作家がほしいのは贈り物ではなく作品への理解と愛情。θが見た3番目の王女さまは、とても質素な服装で部屋のなかも簡素でした。 ・・・・・えーっと(▼д▼)。ここでちょっとこの書き方に挫折するジキルでございます。いっそ全文通しで対比させれば書けそうですが、それじゃいくらなんでもまずいだろうということで・・・。ここで3番目の王女さまは、自分が華美な装飾に興味がないこと。肌がかぶれるから、などなど姫野さんご本人と思われることを言います。自分に正直にいるというだけで、塔に一人で住むことになったと。 θは答えました。多数派は、違和感があり理解できない少数派の考えを病気とすることで、自分たちの正当性を確かめているにすぎないと。このあたりは「ミツコ」集英社版の中条さん解説でもテーマになっている、ヒメノ式における肝の部分です。 王女さまには、果実や水や塩の小瓶や小麦粉などをいつも運んできてくれる三羽と二頭のともだちがいましたが、ひとには会えない暮らしでしたので、θの訪れをよろこびました。姫野さんはBBSやエッセイなどで、私のような作家の生活はたまに編集者のかたと会う以外は、普通に人と会って会話するような機会がほとんどなかったりする、と書かれています。 そうしてθと王女さまは窓辺の椅子にこしかけました。そうして、ジキルは姫野さんと向かいあってブックストア談の椅子にこしかけました。実際は私・・・・エンドルフィンだかドーパミンだかがドバドバ放れ流し状態で・・・・まともにお話することができませんでしたっ。世の中はそうしたことでできあがっているのでした。 *文中の色つきの部分は作品からの引用です。 |
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