直木賞作家『姫野カオルコ』(姫野嘉兵衛)の応援サイト。ディープな読者も初めての方も大歓迎。

作家ってどうよ・角川文庫/共著
2004年9月
ニッポン放送のラジオ番組をもとにしたもの<
鈴木光司、花村萬月、馳星周、そして姫野カオルコ。ぜんっっっぜん繋がらない4人ですね。私がこの中で興味があるのは姫野さんだけ。馳星周氏は時々Numberなどのサッカーコラムを読みますけど。最初は4人の対談みたいなものなのかなぁ、と思って内心「・・・」で買いました。実際はそれぞれが個別に語っているので・・・やっぱり繋がりません。ということで、姫野さんのところを「だぁっ」と読んで馳氏のところを「すぅっ」と読んで、萬さんのところを「さぁっ」と読んで、鈴木さんのところを「ちょっ」と読みました。

本書で姫野さんはスウェーデンに移住したかったと言っています。ジキル古賀は若い頃ストックホルムに住んでいたことがあって、その気持ちがわかります。スウェーデン人の国民性というのは意外なことに非常に質素です。物価や税金が高いこともありますが、気候風土歴史人種などいろいろな要因があるのでしょうけど浮付いたところがありません。何十年も前になぜか「スウェーデン=フリーセックス」という図式があって、今でもそのたぐいの実態のない言葉を使う人がいます。確かに性に対する考え方は違いますが、それは男と女の関係が日本的感覚と違うということで、セックス自体はどこでもいっしょ。例えばどこかの国へ行ってセックスをしようとしたら「なんてことするの。そっちは生殖専用。ふつうセックスと言ったらこっちでしょ」と、ワセリンなんかを渡されたら・・・そりゃ違ってるってことですけど。(−_−;)

ストックホルムではいろんなところに住みましたけど、湖に浮かぶ船のユースホステルみたいなとこに住んでたことがあります。狭い2段ベッドの船室で、夏の旅行シーズンには満室になり当然上のベッドには見知らぬ人が入ります。ある夜のこと。私がもう下のベッドに入って寝ようとしていた時、上の住人が帰ってきました。それも女連れで・・・。「あれま」と思いながら見ていると(電気は消してあって薄暗かった)二人でちゃっちゃと服を脱ぎ、私の目の前で大股開いて上のベッドに登って、ことを始めたのです。私も最初は興味深々で聞き耳をたてていましたが、なんだか飽きたので寝てしまいました。翌朝フロントの女性とその話をしながらコーヒーを飲んでいたところに、上のベッドの男がやってきました。するとフロントの女性は「だめじゃない。下の彼に迷惑だからファックするなら他でして!」と言いました。男は私に向かって「ソーリー」と明るく言って、終わり。そう話は終わりなのです。つまりセックスが問題なのではなく、私が寝ている時に音をだすこと(セックスとは限らない)が迷惑だからって話でした。あぁ、話がまとまらん。

本書は2001年角川書店刊の「BUNDAN BAR」を改題したものです。

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