ガラスの仮面の告白

角川文庫刊・ガラスの仮面の告白より抜粋・・・著者写真で三つ編にしているものが、田舎のバレーボール部員みたいで清純だという人がいましたが、田舎をよく知らない人の意見ではないでしょうか。田舎では立派なエロでしたっ。いや三つ編みじゃなくてブルマの女子バレーボール部員がってことですけど。男子読者の間で、しばらく"チュニック"とは何ぞやと話題になりましたが・・・結局、よくわからんままです。


あなたは泊まりに来てくれた。

とてもうれしかった。

ふたりで部屋でビールを飲みましたね。

関西人らしいケチくささを出すけど、ビール代も食べ物代も

みんな私が払ったわ。

「お風呂に入ってくるね」

私は風呂に入って髪も洗って、出てくるとあなたにタオルを 出して、あなたも風呂に入った。

風呂あがりの私のいでたちは、ジャンヌ(フランス人の友だち) からもらった黒いチュニック。


薄く、ふとしたはずみで下が透けそうなチュニック。

ふたりで歯もみがき、そして、身を横たえたけれど、

あなたのいでたちは凄絶だった。

あなたは、あなたは、あなたは、トレンチ・コートの ままだったですよね。

コート、くらい脱いで欲しかった。

コート、くらい脱いで欲しかったです。

ほんとに、コートくらい、脱いで欲しかったですよねえ。

*****************

あの日は私も詩が作れてしまいましたよ。