終業式 角川文庫 第四章 指輪 より

音楽は映画「ある愛の詩」のテーマ。この「愛とはけっして後悔しないこと」というセリフを真似した結果、今現在後悔している者が1260名ほどいるらしい。えっ?私? 私はそんな歯が浮くようなことは言いませんでした。が、ちょっと後悔はしています。フン。



ただ「Love is not saying sorry」

という格言のことばかりを、最近は考えるんだ。

たとえば、男が女を好きになるとする。反対でもいい女

が男を好きになるとする。最近では男が男を、女が

女を好きになることもあるらしいけど、とにかく、

人がだれかを好きになるとする。

だれかを好きになるということは、それはどういうこと

かというと


・・・・中略・・・・


なんていうのかな、わがままを言ってくれなきゃ応対で

きないんだよ、他人は。

わがままを、ありったけのわがままをぶつけることが、

それが他人を好きになるということなんだ。好きな人

にはわがままを言われなければ意味がないんだ。

・・・・中略・・・・

好きになるってことは、そうだな別の言い方をすると、

好きになるってことはとりみだしてしまうってこと、

理屈がなくなってしまうことなんだ。




投函されなかった「都築宏から息子への手紙」より抜粋